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コンチェルト2号感動の毎日 concerto2.exblog.jp

新潟市西堀前通1のギャラリー蔵織さんの中に移転しました。


by concerto-2

盤鬼さまメルマガ第8弾&セブンからエクレア発売!!

まずはマニアな方には大好評な盤鬼、平林直哉さんからのメルマガ
「盤鬼のつぶやき」
早くも第9弾が届きました。ではどうぞ。

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盤鬼のつぶやき第9回
2009年2月6日号

五味康祐著、
『オーディオ巡礼』(ステレオサウンド)を読む

 これは1980年に出たものの復刊である。五味康祐(ごみ・やすすけ、1921−1980)は剣豪小説で知られ、1953年に『喪神』で芥川賞を受賞してる。オーディオにも造詣が深く、特にタンノイのスピーカーをこよなく愛したことでも有名だ。マージャン、手相にも詳しく、その分野の著作もある。しかし、五味は長く不遇な生活を送り、今で言うホームレスも経験している。金になるものはなかなか書けず、LPレコードを聴くことで空腹をしのいだ日々もあった。そうした彼の辛い日々を救ったのが音楽だったのである。
 五味はあこがれのタンノイを手に入れ、それを思い通りに鳴らすのに10年かかったと書いている。その試行錯誤はまさに格闘と言えるものだ。そうした格闘こそが尊いと彼は言う。だが彼は高価な装置を買えなどとはひとことも言っていない。それどころか、五味は成金趣味のようなオーディオ・マニアを「横っ面をひっぱたきたい」と嫌っていた。
 彼は常に「自分は本当に正しい音を聴いているのだろうか」と自問し、あちこちの家に出向いてオーディオを聴いた。むろん、その大半はごく一般的な装置のものが多い。五味は装置の総額が高いか低いかが重要ではなく、自分の出来る範囲で少しでも音を良くしたいと願い、それを実践することが大切と説く。その結果出てきた音は「その人の人生そのもの」と言い切っている。また彼は、「同じ装置でも部屋が違えば別物の音がする。部屋がオーディオを鳴らす」と部屋の重要性も指摘する。
 五味はある日、得意のマージャンで大金をかせいだ。これでオーディオが買えるぞと意気込んだが、次の瞬間に「こんなやましい金で音楽は聴けない」と思った。彼は「音楽は私の倫理観と結びつくもの」としていたからだ。この考えはブルーノ・ワルターが「音楽には道徳的な力がある」述べたことと似通っている。
 コレクションに関しても五味は以下のように言っている。「数ではない、その人にとって必要なだけのレコードがあれば良い。気に入らないものはさっさと処分せよ」、と。また彼は「若い時には装置に無理をせず、ひとつでも良い演奏、作品を聴いた方がよい」とも主張する。そして、「その人にとっての名盤は、聴きこめば聴きこむほど輝きを増す」と続ける。また、「LPが200枚あるとする。1日1枚聴いても、特定のLPにあたるのはせいぜい1年に1回」と記されているが、確かにその通りだ。これは当たり前のことなのだが、ためることばかりに夢中になっていると、こんなことまで忘れているのだ。また彼は「私は最近、音楽ではなく音質を聴いているような気がする」という一文には、我ながらはっとさせられる思いだった。
 ヒゲについてのこだわりもすごい。SPやLPはターンテーブルに装着する時、よくレコードのレーベル面を先端にあてて中心の穴を探ろうとする。この時、レーベル面にすじが入ってしまうが、これを俗に“ヒゲ”と呼んでいる。五味はこのヒゲを「一度ついたら永遠に消えない。私の300枚のコレクションにはヒゲはひとつもない」と断言し、「ヒゲをつけて平気な人は信用しない」とまで言い切っている。極端だと思う人も多かろう。だが、レコードや作品を大切に思うからこそ、こう言えるのである。こんな話もある。彼は評判の良い医者のオーディオ・ルームに招待されたが、五味はその音に失望し、「こんな医者には二度とかかるまい」と決心したという。
 LP世代の方はご記憶だろうが、ある時期にはノイマンSX68というカッティング・ヘッドがはやった。五味は「このノイマンSX68が音をきたなくした。これを褒めるやからは舌をかんで、死ね」とまで書いているが、この本を読み終えた2,3日後、私はあるエンジニアから「日本でノイマンSX68がはやるようになって、LPの音が変になり始めた」と聞いたのには驚いた。
 さまざまな作品に関して、五味は素晴らしさを讃えているが、その文章に何と深い愛情と痛切な想いがこめられているのだろうか。なまじの曲目解説よりも、ずっと心に響く。本書で彼が「ハイドンの中でも白眉の名曲」と記した交響曲第49番「ラ・パッシオーネ(受難)」、私はこれを持っていなくて、早速買いに行った。
 この本を読んで、私は恥ずかしくなった。このメールは盤鬼としているのだが、この五味に比べれば、せいぜい小鬼、いや鬼の域にすら入っていないと思った。読んで本当に良かったと思う。
 これは本とは直接関係のないことだが、ある音楽雑誌の編集者がこんなことを話してくれた。ある時、その人は五味宅に電話をし、このようなテーマで原稿を書いて頂きたいと言ったら、五味に「電話で原稿を頼むとは何事だ! 家に来い! 話はそれからだ!」と一喝されたという。電子メール全盛の今、お互いの声を知らなくて仕事を続けられる。しかし、本来書き手と編集者とは、五味が言うような関係でなくてはならないだろう。
 読了して、忘れかけていたものをたくさん思い出したような気がした。本書を送って下さったステレオサウンド編集部には謝意を記しておきたい。送って下さらなかったら、読むのはだいぶあとになったかもしれないし、読む機会すら逸したかもしれない。(平林 直哉)
(この本は333ページ、2,667円+税)
♪♪♪♪♪

平林 直哉

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五味さんとは懐かしいお名前ですね〜
文中にありますハイドンの49番「受難」交響曲、これは44番「悲しみ」と並んで中期の大傑作ですね。
ぜひお聴きになられたことが無ければお勧めします。
しかしハイドンの交響曲って、よく「金太郎あめ」とか言われることがありますが、実際はまるで違います。も〜〜〜どれもこれもすごい工夫が満載。サービス精神たっぷりのきらびやかな逸品ぞろい。
だと思います。。。。。。が

なかなか聞かないんですよね〜。うちあけちゃうと。
やはり現代の我々はその後にモーツアルトやベートーヴェンがいることを知っちゃってるんですよね。
ベートーヴェンの1番なんて小さな交響曲とか思われているかも知れませんが、ハイドンの後に聞くと、やはりあの重さはただものではありません。
モーツアルトのメロディは一度聴いただけで、頭の中に残りますが、ハイドンの名旋律は?と言われると、う〜〜〜んいいとこ「驚愕」の第2楽章?が一般的かも。
とてもモーツアルトの神秘性はハイドンには無い。
いっそのこと古典派というのはハイドンまでと考えて、モーツアルトからはロマン派と思った方がいいのかもしれないですね。
この3人をまとめてしまうのがそもそも間違いなのかも。
まぁ今年はハイドンイヤーですので、様々なコンサートが行われます。
ぜひこの機にハイドン体験を増やそうと思っています。

でもハイドンって、とりあえずビッグネームになってるから、まだいいのかもしれません。
この頃ってクラウスやデュセックという素晴らしい交響曲やピアノ曲を書いてた人もいるんです。ぜひそういう人達のも生でやってほしいものですね。
新潟出身で今東京の某音大に行かれてる方でデュセックを研究されて弾かれてる方がいらっしゃいます。ぜひ新潟に戻ったらコンサートでやってほしいものです。

という話題の後でなんですが。。。。
昨日、大きな新商品発売があったんです!!!
残念ながら昨日は私も一人店番だったので買いに行けませんでしたが。
今朝いきつけのセブイレファイブ(セブンイレブン古町5番町店)で買おうと思ったら、なんと初日分完売!!!
それは
セブンイレブンの新発売「マルメゾン 大山シェフ produce エクレールショコラ」です!!

エクレアといえば島田紳介が宣伝して今大ブレイクしているファミマのエクレアが話題ですが、そこに王者セブンイレブンがぶつけてきた!という感じです。
ファミマより30円高い180円。
朝は肝心の商品がすっからかんで告知だけがあるという状態。せっかくなのでオーナーT君に許可を得てそのスペースを記念撮影!!
盤鬼さまメルマガ第8弾&セブンからエクレア発売!!_e0046190_20272272.jpg

なんか聞いたら夕方にしか入らない。とのことなので
夕方にリベンジ!!!あったーーーー!!!!
早速ゲットして来ました。
せっかくなので、いつもお世話になってるりゅーとぴあインフォさん全員分もゲット!!
そのまま届けて来ました。喜んでもらえたかな。

食べてみると、うん、なかなかコストパフォーマンス高いと思います。これが絶対1番か!と問われるとどうかなという感じもありますが、なかなか大人のエクレアって感じです。
どうも期間限定ぽいので、早めにゲットすることをお勧めします。

最後に
今日の夕方、ラブラ万代のヴァージンさんを。。。。でなくって
ツタヤさんを見に行って来ました。
かっては旧新潟市の狭いエリアにタワー、ヴァージン、HMV、石丸電気、新星堂が全部あった超激戦区だったんです。
それがこのヴァージンさんが先月で撤退して、全部いなくなってしまいました。
郊外にタワーさんがあるだけ。
寂しくなりましたね〜。新しいツタヤさんはとりあえずはそのまま、ほとんど変えずにやられてますが、いずれは変えて行くだろうと言う事情通の方からお聞きしました。
ちょっとだけ変わったとこもありましたけどね。

これからはCD業界という枠にとらわれること無く大きな視点で物事を見てやっていかないといけないな〜と思わざるを得ません。
ま、とりあえずは目先のことから一歩一歩ですが。

この週末は土曜日は奥村和雄門下ヴァイオリン発表会に行ってきます。
お寺でのコンサート「寺宵」も第2回目がありますね。

日曜日はいろいろありますが、遂にフルムーンのコンサートシリーズの初回です。
無事終わって皆様全員いい〜気持ちでお帰り頂けますように。
頑張ります。

最近店のBGMにしているバッハの無伴奏チェロを独奏フルートでやったもの
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なかなかこれもいいですよ。心安らぎます。お勧めです!
Commented by Nobui at 2009-02-08 11:05 x
 五味康祐とは懐かしい名前ですね。
 五味氏が雑誌に連載していた頃、当方はまだ就職して数年の頃でしたので、いくつも雑誌を買うだけの余裕が無く、五味氏の文章も本屋で雑誌を立ち読みしている中で知りました。五味氏は音楽を愛し、かつ造詣が深いにもかかわらず、難聴でもあったということで、当時の私の心の中では五味氏がベートーヴェンに重なったところもありました。難聴にもかかわらずあれだけ音を、しかも微妙なところを聴き分けられたというのは驚異でもあります。それにしても五味氏は一種求道者のおもむきがありました。
 後に単行本である「西方の音」、「天の聲」を購入して読みました。平林直哉氏の「盤鬼のつぶやき」からの文章を紹介されていたのを見てこのことを思い出し、かつて買った本(古い本は段ボール箱に入れて押し入れの奥にいれてある)を探してみたのですが、結構古い本が多くて見つかりませんでした。また後で探して読み直してみようかと思っています。
Commented by concerto-2 at 2009-02-08 17:49
Nobui様ありがとうございます。
あっ難聴でいらしたんですか。それは知りませんでした。
私の中では五味氏はタンノイと重なります。
いずれも少し前の良き時代のこと。。。なるのでしょうか。
私も懐かしいなぁ〜と思いました。ありがとうございます。
Commented by Nobui at 2009-02-09 16:39 x
 五味氏が難聴だったことは当方も覚えていたのですが、念のためにインターネットの検索サイトで「五味康祐 難聴」で検索して確認しました。しかし一方で難聴といっても聞こえる音、聞こえない音があり、人の話し声は聞きづらくても音楽を聴くことはできたのではないかとの話もあります。
 ところでこれもつい最近本屋での立ち読みで見つけたのですが、文藝春秋二月号にステレオサウンド社会長の原田勲氏による「五味康祐先生のオーディオ」という小文がありました。五味氏のオーディオシステムが東京都練馬区に無償で譲渡されたこと等が掲載されていました。また五味氏が最後に聴いた曲として「ウィルヘルム・バックハウス=最後の演奏会」の中のベートーヴェンの作品111にも触れられていました。(五味氏が最後に聴いた曲は同じ曲ですがケンプの演奏するものだったとの話もあるようで、バックハウスによる演奏とするのは原田氏の勘違いか?)
Commented by concerto-2 at 2009-02-10 00:25
バックハウス最後の演奏会ですか。。これは有名ですから勘違いも起こりうるかもしれませんね。
無償で区に譲渡ですか。良い話ですね。ありがとうございました。
Commented by drei Buchten at 2009-02-12 09:21 x
 遅れてのコメントで済みません。あれ?と思ったのですが、『文春』2月号に目を通してみないと何も言えないと思ったもので。
 原田氏の文章は、五味氏が生前最後に聴いたディスクがベートーヴェンの作品111であること、そして残されたディスクの中にバックハウス最後の演奏会のレコードがあったことを語っています。この2つは別のことで、バックハウスが最後の演奏会でベートーヴェンの作品111を弾いたという事実はありません。これは有名な演奏会ですから私が言うまでもありませんが、バックハウスはベートーヴェンのピアノソナタ作品31-3を第3楽章まで弾いたところで気分が悪くなって退場し、再度舞台に出てきてこの曲の第4楽章の代わりにシューマンとシューベルトの短い曲を弾いた上で演奏会を閉じたわけですから。
Commented by concerto-2 at 2009-02-12 19:31
drei Buchten様ありがとうございます。
そのようですね。それにしても五味さんが多くの方に覚えられていた存在であったことを今回の再発のことで再確認しました。
ありがとうございました。
by concerto-2 | 2009-02-06 20:39 | サイト・ブログのご紹介 | Comments(6)