人気ブログランキング | 話題のタグを見る

コンチェルト2号感動の毎日 concerto2.exblog.jp

新潟市西堀前通1のギャラリー蔵織さんの中に移転しました。


by concerto-2

ケーゲルさんのG線上のアリア

「G線上のアリア」って曲ありますよね。
とーーっても有名な曲です。

実は私も練習したことがあって、朝まだ開店前の一人の時には毎日吹いています。
なんか気が落ち着くような気がして。

あと演奏会のアンコールでこの曲がかかると、それまでの演奏でなにか不具合なところがあっても全て忘れさせてくれて「あぁいい演奏会だった」と思わせる、そんな必殺の一曲でもあります。
作曲は大バッハ。メインのメロディとともに支えるサブのメロディも素晴らしい名曲中の名曲です。

そんなこの「アリア」ですが、CDでは特別な感情を持って聞いてしまう二つの名演があります。
一つは戦前にオランダの大指揮者ウイレム・メンゲルベルクさんが指揮した演奏。
とても個性的で熱い演奏です。
録音はさすがに古いので、全ての方々にお勧めとは言いにくいのですが素晴らしい演奏です。
オーパス蔵という日本のレーベルで復刻されたCDがお勧めです。
それにそこにはこれも最上の演奏であるチャイコフスキーの悲愴交響曲が入っています。

もう一つは「東ドイツ」の大指揮者ヘルムート・ケーゲルさんが日本のサントリーホールで1989年に演奏したライヴ録音のもの。
アルトゥスレーベルから発売されています。
この日の演奏会はベートーヴェンのプログラムでエグモンド序曲、田園交響曲、運命交響曲という重量感あるプログラムでその演奏もCDに入っています。
メインの運命は異様なほど力が入った凄い演奏です。
そしてその後にケーゲルさんのアンコールの紹介があって(それも収録されています)
アンコールの「アリア」が演奏されるのですが、この演奏はほんとうに聞いていて胸が詰まるような演奏です。
たぶんな生で聞いたなら本当に別世界へ行きそうな感じではなかったかと思います。

メンゲルベルクさんとケーゲルさんは共に国の威信を背負っていた名演奏家でありながら、メンゲルベルクさんはナチスドイツに協力したとのことで追放されスイスに幽閉され失意のうちにお亡くなりになられ。
ケーゲルさんは東ドイツの崩壊と共に自ら天に召されると言うやりかたでお亡くなりになられる。
そんなこともお二人の「アリア」を聞く際に無意識のうちに意識してしまうのかもしれません。

しかしこの二つの演奏は素晴らしい。

「この指揮者って有名な人ですか」とお聞きになられケーゲルさんのベートーヴェンの交響曲全集を購入していただいたオケの学生さんがいらっしゃいました。
そのお客様の一言で今日私は久々にケーゲルさんのこの「アリア」のCDを久々に引っ張り出して聞いています。
ありがとうございます。
朝からヴォーン・ウイリアムズの交響曲を全曲聴いてて疲れたのをちょっと癒すことが出来ました。
(もちろんヴォーン・ウイリアムズが良くないということではありません)

東ドイツの指揮者ってなんか哀しいですね。ケーゲルさんやレーグナーさんは既に亡くなられ。
大好きだったオトマール・スイトナーさんはどうされていらっしゃるのでしょうか。
一つの体制の崩壊がもたらす悲劇みたいなものを感じます。

ローカルなベートーヴェンって今ヨーロッパからは出てきませんね。
ちょっと残念な感じがします。

それにしてもケーゲルさんの「アリア」は染み入る演奏です。。
ケーゲルさんのG線上のアリア_e0046190_23155599.jpg

Commented by kawazukiyoshi at 2006-10-28 13:50
ケーゲルさんって知りませんでした。
綺麗な曲がたくさんあるものですね。
Commented by concerto-2 at 2006-10-29 01:26
はい。フィンジの「ロマンス」もぜひお聞きください。
コメントありがとうございました。
by concerto-2 | 2006-10-23 23:16 | CDの紹介 | Comments(2)