県コン本選会。個人的な思い出。2010年のこと。
さっき書いた後半の記事で竹内優姫乃さんについてちょっと長く書いてしまいましたが
竹内さんは残念ながら今回賞は取れなかったんですね。
長いこと県コン本選会を見てきて思うのは、印象に残るのは賞には入らなかったシーンが多いということなんです。
もちろんその年の代表者を争うわけですから丁丁発止な競い合いも醍醐味でしょう。
そうなると県コンを長く見ている人ならお分かりだと思うのですが
選ばれるパターンみたいなのがあるんですよね。いつもというわけではありませんが。
今回も「見に行ったけど、けっこうキツイ演奏が多い」という意見を目にしました。
わかるんですよね。
そんな中、これは受賞にはならないだろうけど染み入るなぁ~ということを感じる演奏があります。
そこから3つ書きます。
2010年のピアノ中学生部門。糸魚川の磯野さんが弾かれたバッハのイタリア協奏曲。
この時の中学生部門と言えば相田さん、阿部さん、三宅さんと言ったそうそうたる面々が出てた時期で賞はもらえませんでしたが
後に磯野さんのお父さんとコンタクトをとる機会があって、たしかお父さんはフュージョンのバンドかなにか趣味でされている方だったと記憶しているのですが、やはりお父さんを見て育たれてたのかなと微笑ましく思いました。いいイタリア協奏曲でした!
小学5・6年生の部。
川上那弥さんが弾かれたカバレフスキー「日本民謡による変奏曲」
このとってもよかったんです。だいたいこういう~変奏曲って面白くないの多いんですけど、これは曲もいいし、それに演奏もよかったです。
なんかこの時の川上さんの演奏には決意というか、うーんせっぱつまったというか
当然コンクールなので必死なところあるのは当たり前ですけど
なんか見ててつよいものを感じましたね。
この時のこの小学5・6年生の部では私的にはこの演奏が一番でした。
川上さんと言えば石川先生の門下さんで、この石川先生門下って県コンではもう常連さんがたくさんいるすごい門下です。
でもいつも思うのはみんな明るいんですよね。悲壮感があまりない。
そしてそれぞれがみんな個性的で、いい意味でバラバラというか(怒られるかな)
将来その教えを受けた人が後進を育てていかれるのであろうと思うと、それもまた楽しみですね。
そして
県コンを見てきた中で一番印象に残っているシーンがあります。
思わず息をのんでしまった。
忘れられない演奏がありました。
それは
この年の小学5・6年生の部。
島田美和さんが弾かれたシューマンの「子供の情景」
何曲か弾かれたのですが最後が「トロイメライ」だったんです。
驚きました。
県コン本選会で「トロイメライ」を聴くなんて。
まずこういう曲は選ばれないんです。
あのコンサートホールに「トロイメライ」が流れている間はコンクールなんだということが頭から抜けましたね。
ただただ、聴き入りました。本当に素晴らしい瞬間でした。
島田さんは当時時折当店に来てくれてたので存じ上げてましたが、いつも挨拶がしっかりしたいいお嬢さんだなと記憶しています。
当時中学生とか小学校高学年であれば、8年たった今は20歳前後、もしくは過ぎた年代になられていることでしょう。
今ではピアノもされていないかもしれませんね。それでもいいと思います。
ある時期一生懸命に頑張ったということはきっと支えになります。
そんな瞬間に出会えたというのは幸福なことだと思っています。
ちなみにこの2010年の本選会では他にもヴァイオリン木野さんのすごい演奏があったり、伊藤舞さんがくるりと一回転したり(横にね)管楽器が全員賞をゲットしたり、ラストには金川唯さんの爆裂リストで幕を閉じるという思い出深い本選会でした。
県コン本選会って面白いです。
昨年行けなかった分、今年オールで見て増々そう思いました。
以上余談でした。。
あ、今年の県コン本選会公式プログラムを欲しいという方言って頂ければ何部か余計に買ってきましたので。
いやぁ~県コン本選会ってほんとにいいもんです。