これはすごい!と思った2枚。
一つだけぜひ追加したかった演奏会がありましたのでそれだけ追加とします。
昨年もっともしみじみよかった演奏会。
音文練習室で行われた「楽路歴程」さんの演奏会。
そこでのターフェルムジークがとーーってもよかったです。
これだけはどうしても付け加えたかったので追加。
さて年末に何枚か購入したCDで「これはすごいねぇ」と驚嘆したものが2枚あります。
まず1枚目は!
ファジル・サイのベートーヴェンピアノソナタ
曲目は「熱情」「ワルトシュタイン」「テンペスト」という超有名どころを収録しています。
このディスクについてはIANISさんがご本人のHPですごい解説をされるはずなのでその前に私なんぞが書くというのもおこがましいんですが、まぁ素人のような意見として大目に見てください。

まずおもしろい!これが最初聞いたときの感想。
いっかにもファジル・サイ!先入観を裏切りませんでした。
特に「熱情」はすごく聞いて興奮しますね。
私は2楽章が一番いいと思いました。まるでジャズピアニストが弾いたらこんな感じになるんでは?と思いました。いい意味で音楽の運びが自由自在。
3楽章は快速ですっ飛ばしてますがなかなか聞かせどころもあってこの「熱情」には喝采。
ただその後に続く「ワルトシュタイン」と「テンペスト」はどうかなぁ。
「ワルトシュタイン」はなんか燃え尽きていない感じがするんですよね。
「テンペスト」も腰が弱いような気がする。
それにどうもずっとファジル・サイ節を聞いてると段々テンション下がってくるんですよね。
なんか慣れてくるせいなのかもしれないのですが。
「テンペスト」はなんか力入っていないように聞こえるんですがどうなんだろう。
いろいろ小技使ってるような感じはするんですが。
ということでお勧めするのは「熱情」!
あとファジル・サイは嫌いという人は無理して聞くことは無いってとこでしょうか。
まず音楽友の社のベスト盤とかの上位にくるようなものではないけど、サイというピアニストに興味がある人にならぜひ!というとこです。
あと一つは。
アンサンブル・オルガヌムによるマショーの「ノートルダム・ミサ」!
すいませんが新譜ではありません。すでに定評ある盤です。
新潟の古楽をとりまとめられている某教授さまよりのご紹介だったんです。
「佐藤さん、マショーだったらアンサンブル・オルガヌムは絶対聞かないとだめ、驚くよ」と言われて。。。聞いて「ぶったまげました」

いやすごい。
この曲に関しては私が持っていたのはデラーコンソートのものだけで、そのイメージを持ったまま聞いたんですね。
とても同じ曲とは思えませんでした。
まぁ中世音楽はやり手によってかなりフォルムは変わるんですが、これほどとは想像してませんでした。
紹介されておきながら失礼になるかもしれませんが、もし「ノートルダム・ミサ」を最初の一枚として買いたいんですがどれがいいんでしょうか?とお客様に聞かれたとしてまずこのアンサンブル・オルガヌムのはお勧めしません。
決して悪い演奏と言うのではありません、最初の一枚にはふさわしくないということです。
それほど従来の中世音楽演奏の枠をぶちやぶっている演奏(合唱)です。
この荒々しさと力強さは教会音楽というより民俗音楽か声明の域ですね。
これははまると奥が深いですよ~この団体は。
私もこのアンサンブル・オルガヌムは追ってみたいと思いますが、先に標準的な演奏を聞いてから臨む事にします。
でもすごい団体教えていただきました。H教授様ありがとうございました。
今年は中世・ルネサンス音楽をちょっと力入れて勉強するつもりです。
以上この2枚は「普通ではない」という驚きみたいなのをお求めの方にはお勧めです!