ふと思った。超個人的に選んだとして。。。
この前決まった本屋大賞のことについて。
本好きの方はご存知の通りでしょうけど、今年の大賞は大方の予想通り、三浦しをんさんの「船を編む」に決まったわけです。
もう大差でしたね。まさに圧勝。
が、しかし
本屋大賞の主旨というのが「売りたい本が直木賞で選ばれない」というようなことからスタートして「埋もれた本に光を」
ということが当初主旨としてあったそうです。
ところが最近の本屋大賞では、もう賞に選ばれる以前にベストセラーになっているものが獲得することが多くなっていて
次第に「売れている本が選ばれる」となってきた。人気投票ゆえの課題も見える。
とのことなんだそうです。
たしかに。
埋もれていようが埋もれてなかろうが最上のものが選ばれれば、それでいいのでしょうけど
段々こうなってくると、やっぱり埋もれたものにスポットを当てようよ!
という流れも、またおきてくることでしょう。でも投票者数が多くなってくると結局同じことになるのかも。
よっぽど個人のベスト10みたいな方が面白くなって来るのかもしれませんね。
ではそれにひっかけて。
ではないのですが、私も年末には毎年その年のナンバ−1CDとかを選んでいます。
それこそ私の独断。完全に個人の好み。
そしてどうしても何度も聴けるものになってきます。店で聴き続けますからね。だから例えばミュンシュの幻想ですっごいのが一昨年出ましたけど、あれはまじ超絶凄かったです。
でもそう何度も聴けない〜
なのでいつも自然と選んでいるのは聴き疲れしないものになっています。
そういうことをふまえて、ふ〜んと見ていただければいいです。あと必ずしも年度が発売年とは同一にならないものもありますので。
そもそも何が何年とか記憶が定かでないところもありますし。
2003年は前にも書きましたがポッジャーのバッハ無伴奏。
まだ私が石丸電気にいる頃のことです。
初めて聴いた時は衝撃でした! それまでシゲティとかミルシテインとか、力のはいったおじさまで聴き慣れてました。ほんと目からウロコがぼた。でしたね。
目が覚めるような素晴しい演奏です。
2004年はいくつかいいものがあった中、もぉぉぉぉこれ! ってすぐに選び出せる1枚があったんです。
ロバート・キング&キングズコンソート&キャロリン・サンプソンによるヘンデルの「聖セシリアの祝日のための頌歌」
これは絶品です。特にサンプソンが歌う2曲のアリア、いや1曲でもいい!「優しき横笛」という邦題まであるソプラノ&フルート&リュートのこの曲は聴く人の背筋をぞくぞくさせます。
でも他の演奏ではそうはなりません。サンプソンの声がほんと素晴しい。このCDはここ8年間で私が2番目に好きなCDです。
でも。。。ありゃ無いぞ! 人に貸したんだったー!
2005年は私が一番新譜を楽しみにしている演奏者。ガッ帝!
ファンは親しみを込めて?ガッ帝と書いたりしますが、ヴァイオリニスト、エンリコ・ガッティによるタルティーニ作品集。
なんとこれ今廃盤です。マーキュリーさんが再発してくれることを祈るだけなのですが。
アルカナというレーベルでガッティが録音したタルティーニとコレルリの美しさと気品は他の人の演奏では聴けません。
あのたろ〜〜んとした何弾いても同じように聴こえるガッティの魅力は格別。
このタルティーニが早く再発されますように。。ガッティ節はもうイタリアの演歌です。
2006年はビクトリアのレクイエム。
これほんとは2005年発売だと思いましたが聴き込んだのは2006年だったので。
シックスティーンによるビクトリアのレクイエムです。
でもこのビクトリアは、なんというか、正調ビクトリアマニアには「どうなんかな〜」と思われるかもしれません。
あまりにもきれいに仕上がっているので、実にマイルド。
シックスティーンがやるビクトリア。この組み合わせの名前を聴いただけで想像できる、そのままの演奏。
難しいこと考えずに歌声に浸りたくなる。そんな1枚です。
なんとこれも貸したまま! うへぇ〜誰に貸したんだっけ。。
2007年にはついにこれが再発になったんです。
ボールト(一部ハンドリー)指揮のジェラルド・フィンジ管弦楽作品集。
それまでナクソスで感動しまくってたフィンジの作品。
ついに本家本元といってもいいボールトのものが再発で出たのがこの年。
もうこの1枚は私にとって最高の一枚なんです。
とやかくいう必要の無い、私の中でもこの店を始めてからの8年ちかくでダントツ第1位に好きなCDです。
フィンジはいい。。。
2008年はこれにしたんですね。ペライア。
バッハのパルティータ。
これって最初あんまりいいとか思わなかったんですよね。なんか普通かな〜って。
むしろパンチにかけるかな〜とかまで思ったりして。
でも何度も聴いていると、この演奏の尋常ではない深さみたいなものを感じるようになりました。
もしかしたら今のペライアって世界最高の一人ではないでしょうか。
2009年はこれ。今でもしょっちゅう聴いています。
カトリン・フィンチがハープソロで弾いたゴールドベルク変奏曲。
単純に聴いた回数だけでランキングすれば、これが第1位です。
とにかく何度聴いてもいい。飽きない。気持ちが落ち着く。完全無欠のBGMといってもいいのではないでしょうか。
このゴールドベルクに慣れると、他のピアノやチェンバロでの演奏がやたら挑戦的に聴こえて来るんですよ。
ハープっていいですよね。
当店にも生ハープ置こうかなんていうプランもあったりしますが。。
2010年にはこれを選んでました。
これ、これってこれも人に貸したまんまだー!
モスクワ音楽院の大教授、ドミトリー・バシキーロフの最新録音。ハイドン、ベートーヴェン、ショパンを弾いた1枚でした。
いやぁこれがなんとも味わい深い1枚なんです。月光ソナタも入っているんですが、超スローな第2楽章の味わい。
ショパンの9−2の素敵なこと。現代のスタイルとは全然違うのですがロシアンピアニズムの一つの究極かなと思わせてくれる1枚でした。
これは貸してる人覚えているし。。。今日チェロの伴奏する某ピアニストさんw
2011年の昨年はこれが抜けているー!というほどのものにはあたりませんでした。
ビンゲンをピアノでやったものなんかよかったんですけどね。
でも1枚となるとこちらを選んでました。
ラウラ・ライトが歌う「ザ・ラスト・ローズ」
なんとなくこういうのに行き着いてくる自分って「あぁ私も年とってきたんだなぁ〜」とか思っちゃうんですけどね。
やっぱこういうのっていいですよ。イギリスのカントリーソング集みたいなものをたっぷりと堪能できる1枚。
アレンジもいい。
はっきり言ったら正調クラシックともいえないかもしれない。でもいいアルバムです。
なんでこれ国内盤出さないんだろう。。
というのが私の選ぶ各年度代表CD。
でもほんと何度もきくという前提があっての選出したもの。
だから1回の感動の度合いとかであれば、さっきもふれたミュンシュの幻想ライブだとかグランドスラムで再発できたソレンコワのライブだとか
ヤルヴィのベートーヴェンの4番とか、ラツィックのラヴェルだとか、メジュちゃんのいろいろだとか他にもありますよね。
だからあんまりふむふむと受け取られませんように。
ただ中でも1番はボールトのフィンジです。不動です。
あの震災の番組でのフィンジもほんと放送にマッチしていました。我がCDながらラジオ聴いて心うたれましたね〜。
新潟室内さんでエクローグやってくれればなぁ〜。。もしやってくれるのであればピアノは石井さんで〜とか、でもイギリスものだから村山薫さんとか〜
そういえば金川唯さんがCD聴いて、やりたいですね〜と言ってくれてました。
だから聴けばやりたいと思ってくださるピアノさん、そして弦楽のみなさんもきっといらっしゃると思うのですが。
もう私の夢ですね。どっかでフィンジやらないかなって。。。ヴァイオリンの方にならイントロイトとか。。
フィンジほんといいですよ。。
今年一年もいいものに出会えますように。
さてあと1時間くらいしたらグランドホテルに向かいます!!
ぜひ聴きに行きましょう!
庄司愛さんのラジオは聴けませんでした!
ベルガルモの4月20日公演もよろしくお願いします!