久々に盤鬼つぶやく。。。サイトウキネン。
スケジュールの都合で前半に行って、また後半にいくという強行軍。
でもとても有意義だったそうです。
まずはともあれ、盤鬼のつぶやきをお読み下さい。
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盤鬼のつぶやき第37回
2011年8月28日
サイトウキネンに行く
5月頃だろうか、ある人から「サイトウキネン、行ったことないんですか? 一度くらい行ってもいいんじゃないですか?」と言われ、ふとその気になった。だが、チケットを手配し終えた頃には別の人からこう言われた。「行って面白いのかなあ?」。私はそれに対しこう返答した。「動けば何かが生まれる」。
今回、私は2回松本を訪れた。1回めは8月19日(金)に行われた“ふれあいコンサート㈵”である。曲目はモーツァルトのピアノ四重奏曲第2番、プロコフィエフの五重奏曲作品39、バルトークの2台のピアノと打楽器のためのソナタ。演奏は小菅優、伊藤恵のピアノほか、他のメンバーはサイトウキネンのオーケストラに名前が入っている人たちである。特にプロコフィエフとバルトークは日頃めったにやらないので、こういったプログラムが聴けるのがまさに音楽祭ならではだ。この2曲、初めて生で聴いたせいか、非常に面白かった。地震の影響で予定していたザ・ハーモニーホールが使用不能となり、松本文化会館の中ホールに急きょ変更になったのは演奏者側にも不運ではあったが、お客さんの反応は非常に良かった(バルトークではピアノの弦が演奏途中で切れるという事故にも初めて遭遇。小菅さん、怪力ですな)。
2回めは8月26日・松本文化会館(大)のオーケストラコンサート、指揮はヴェネズエラの新鋭ディエゴ・マテウス、曲目はチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」序曲と交響曲第4番、中プロはバルトークのピアノ協奏曲第3番(独奏:ピーター・ゼルキン)、そして27日・まつもと市民芸術館主ホールでのバルトークのバレエ「中国の不思議な役人」(指揮:沼尻竜典)と歌劇「青ひげ公の城」(指揮:小澤征爾)である。
日程順に触れていくと、マテウスの演奏は若くてバリバリである。「エネルギッシュで良かった」という人もあれば、「オーケストラを鳴らしすぎ」と感じた人もいた。私も確かにちょっと騒々しいとは思ったが、オーケストラの献身的な熱演はそれなりに気持ちが良かった。ゼルキンのソロはマテウスとは正反対の渋く正統的なものだった。
27日は何と言っても「青ひげ」で小澤が出るかどうかで話題が持ちきりだった。初日の21日のみ振って、23日、25日は降板である。前日の26日、私は関係者からその周辺の話を聞いたけれど、感触としては絶望的のように思えた。
27日はまず「中国の不思議な役人」を見る。私はバレエについては全く詳しくはないが、この新潟を本拠地とするバレエ団ノイズムはなかなかやるな、と思った。存分に楽しませてもらった。
そこでいよいよ後半の「青ひげ」。会場には「本当に小澤は出てくるのか?」という雰囲気が漂っていたが、小澤の姿が見えたとたんにどっと湧いた。ブラヴォーも出ていたような気がする。オーケストラのメンバーも皆、「あ、来た!」と満面の笑みを浮かべていた。私が聴いた感じでは、始まって5分程度は指揮者とオーケストラの一体感がいささか希薄に思えた。でもそれはしょうがない。オーケストラにとっては6日ぶりの小澤の棒である。しかし間もなく本調子となり、私も音楽に集中できた。総合的に言えば、一部にバレエの扱い方に違和感を感じたことを除けば、上々の公演だったと思う。
終演後、何度もカーテンコールに応えていた小澤の姿を見ると、2度も降板したほど体調が悪いようには思えなかった。「小澤は今日も無理でしょう」と言っていた知人に「出た! お化け、じゃない小澤、本当に出たぞ」とメールしたら、即座に「それはラッキーでしたね」と返ってきた。
サイトウキネンというオーケストラだが、確かに寄せ集めの欠点があると言えばある。まとまりという点では直前の8月24日に聴いた読売日本交響楽団(指揮は小林研一郎)の方が上だった。しかし、このオーケストラのメンバーによって先ほど触れた珍しい室内楽やオペラなど、短期間に多彩なプログラムを楽しめるのはありがたいことである。それに、フェスティバルの存在自体も、日本のクラシック界の発展に大きく寄与していることは間違いない。
私は今回初めて松本を訪れたが、遅まきながらこの街並みの素晴らしさにたちまちファンになってしまった。特に感激したのは縄手通り、中町などの古い建物や石垣が残っている付近である。小さなお店や資料館もあって、身も心も、そして財布も軽くなった。また、ほとんどのお店にはサイトウキネンのミニTシャツが飾ってあって、街全体がこのフェスティバルを盛り上げようとしているのにも感心した(ただひとつ気になったのは、主に松本駅周辺にある街頭のスピーカーから流れ出るBGM。これはない方が良い。ちょっと無粋)。
今回は昼間ちょこっと観光し、夕方、夜が仕事(演奏会)というわけだったが、次回は出来るならば完全にフリーな日を1、2日程度つけ加えてサイトウキネンに行きたいと思った。
松本訪問、予想をはるかに上回る収穫だった。「動けば何かが生まれる」、これはやはり正解だったのである。(平林 直哉)
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ということで、かなーり満喫されたご様子でしたね。
個人的にもいくつか連絡をいただいたりしました。
小さなTシャツがすっごいたくさんなところで売ってるぞー!

はほんの一例です。
あと「平林菓子店」とか「株式会社ヒラバヤシ」だとかの写真も送ってこられて「私の会社だ!」
当然ジョークですけどね。
私も「それ全部にグランドスラムおいてもらいましょう!」なんて返したり。
でも平林さんも書かれてますが「動けば何かが生まれる」はその通りだと思います。
私の仕事上の師みたいな方からよく「動かないでいる人間にはなに得るものは無い」と教えられてました。
全くその通りだと思います。
それに小澤征爾さんの公演も見れたというのは本当に幸運だったのではないでしょうか。
さすがは平林さんです!!
おまけにさっきのチビTシャツ。なんと買って来てもらいました。

盤鬼さんはこんな細やかな人に対しての心遣いまでできるんですよ!!
と、書いておいてよ〜とご本人からも言われてまして(笑)
平林さん書きましたよ〜〜〜w
今朝のニュースでは小澤征爾さんのこれからの公演はやはり。。。でしたね。
無理も無いでしょう。
少し養生していただくといいですね。
平林さんに小澤さんの様子をお聞きしたら
「元気そうだったよ。終わってからまずピットの中で多数と握手し、舞台に上がって何度も何度も出たりひっこんだりしてました。」
とのことでした。
でもやはり終演後にどっと疲れが来たのでしょうね。
すごいプロ意識の現れとも言えると思います。
井上静香さんも各公演で頑張ってらっしゃったとの事。
あと文中にもありますが、Noismのことを平林さんも「いいね〜」とおっしゃられてました。
嬉しいことです。
せっかくなので、平林直哉さん関連で宣伝を一つ。
平林さんご自身も「あんまり知ってる人いないと思うんだけどさ〜」と言われてましたが
「無線と実験」という実にマニアックなオーディオ誌に、平林さんがCDレビューを書かれているんですよ。
毎月5、6枚でしょうか。
ちなみに最新号では
ボベスコのバッハのヴァイオリン協奏曲集
コバケンさんのベートーヴェンの1&7
小泉和裕さんのリストのファウスト交響曲
長富彩のリスト巡礼
スダーン&東響のブルックナー8番
アシュケナージのプロコフィエフの交響曲第5番
の6点。
レビューも平林さんらしい文章ですね。
あと同じ「無線と実験」で2ヶ月に一度だったかと思いましたが、レビューではなく長いコラムみたいなものも書かれています。
これがけっこう面白いんですよね。次回は9月に発売になる号にのっているはずですね。
ぜひファンの方は立ち読み、、、い、いやご購入くださいませ。
そしてグランドスラムの次なる新譜はワルター&コロムビアのベートーヴェンの第九です!!
9月4日の東響新潟公演に間に合うと良いんだけどな〜
もし間に合わなくても当日はずっとかけまくってます! ご予約承ります。
すごいいいサウンドに仕上がっていますよ! ワルター「第九」の認識が新たになりました。
ぜひグランドスラムよろしくお願い致します。
ということで、盤鬼平林さんのぶらり松本旅〜は以上。
(声優の滝口さんお亡くなりになられたんですよね。残念。合掌)
次の記事はおじさんぶらり一人旅第2弾。
わたしのプチ一人旅日記を次に書きますんで。
きっとつまんないですからw

小澤さんが次に名古屋にやってくるのは3月の『蝶々夫人』の予定ですが、バルトークのオペラより長丁場になるので無理かなあ。
それにしても松本-新潟はアクセスが悪いですね。オペラ見物をして、JRで実家に帰省したのですが、名古屋-松本よりも乗り継ぎ、所要時間もはるかに多く閉口しました。
たしかに不謹慎な話かもしれませんが小澤さん以降どうするかということも検討の余地有りでしょうね。
松本ー新潟はほんとに悪いです! 私もJRで行った事あるのですが、不便でしたね。
すっきりとしたアクセスがあればいい〜都市なのでもっと行ってみたいのですが。
ありがとうございました。