月刊ウインド9月号。
ベルリン国際映画祭で銀熊賞を獲得した
「キャタピラー」
監督は若松孝二。
若松作品と言うと観るのがきつい作品という感じがあります。
今回のもなかなか。。。
でも前作の赤軍派のものを描いた作品よりはきつくありませんでした。
既にもういろいろなマスコミで情報が流れているので、ご存知かもしれませんが「キャタピラー」のおおまかな紹介を。
時は戦時中、戦争に行ってた旦那さんが帰ってくる。
しかし帰ってきた旦那さんは手足が無く、顔もひどい火傷、耳も聴こえないし、しゃべることもできない。
キャタピラーとは芋虫のスラングです。
名誉の負傷という事で旦那さんは村の人々から「軍神様」とあがめられる。
しかし世話は奥さん(寺島しのぶ)に全部のしかかる。
やがて旦那さんの精神状態も戦地でのトラウマが出て来るようになり、奥さんの精神状態もきれそう。
やがて爆発する自体になる。
そういう激しい内容を、静かな田舎の農村を舞台として小さな一軒家の中の事として描かれる。
そして戦争が終わったとき。。
という感じです。やはり特殊メイクで作ったとわかってても、四肢がなく顔も正常ではない旦那さんは観てて、なかなかしんどい。
でもそれをしんどい底に落としてない演出を感じました。
それは主人公の奥さん(寺島しのぶ)の台詞の言葉使い。
場所は田舎の農村。ロケ地が新潟という事も知ってるからついつい新潟だと思ってみてしまいます。
農民役の人達もなまった話し方をしている。
そんな中寺島さんは標準語。しかもものすごく丁寧ではっきりとしたきれいな標準語で演じています。
これは演出の指示だと私は思いました。
なんか観ていると悲惨な内容のシーンであっても、奥さんの話によって品が出るんですね。
溝口健二作品のような都の品格みたいなものを感じさせます。
それによってすくいようの無いものに希望の光を感じさせたり、最後の方ではその話し方で狂気に近づいた時に怖さが出る。
最後の方の奥さんが旦那さんを狂ったようになぶるシーンはクライマックスになってましたね。
そしてラストシーンの静けさと死の対比。
最初はけっこうホラーチックですが、後半に行くとホラーっぽいものには慣れます。
戦時下という特殊な状況に置かれた人間の意地、見栄、そして狂気
なかなか強烈な作品です。
ベルリン映画祭ってこういうきっついの好かれる傾向にあると思います。
このキャタピラーはシネウインドで9月10日まで上映されています。
時間などはHPを見ても良いし、当店にお聞き頂いても良いです。
あとこちらを買われれば一番良いですよ!
本日入荷! 月刊ウインド9月号。
9月の作品案内、上映時間案内、ほかも記事満載です。
実は。。。。9月号には私も書いています。15ページにちょっと書かさせていただきました。
たいした文章ではありませんが、もしどっかで見る事があればお読みください。
宣伝しておかないとね!
それにしても短い文章を書くのは難しい。最初にながーく書いてから削除していったんですが、意味が通ってると思われれば良いのですが。
そして映画「ずっとあなたを愛してる」に興味を御持ち頂けたら、レンタルでも借りてみて下さい。
それにしても「キャタピラー」、月曜の午前と言うのに御客様満員でした。
ちょっと意外。
この映画は半分が家の寝室の事なので,映画館のような暗い場所で見るのが適していると思います。
ぜひシネウインドで見ましょう。
たしか長岡の映画祭でもやるはずですね。
一つだけ違和感を感じたのは
村の中の一軒家という小さな場でのことを描いた映画なんですが、最後のエンドロールに流れる歌、そして映像は原爆のことを題材にしたものなんですね。
最後だけテーマを大きく広げた事に対して違和感を覚えました。
というより、本当は映画のエンドロールに歌詞がある歌ってない方が良いと思っています。
もっと言えばエンドロールそのものがいらないと思ってます。
この映画、誰にもお勧め出来るというものではないです。
明るい気持ちにはまずなりませんから。
ずしりと重い作品です。ポイントをつけるとしたら60点かな。
大名作とはいかないと思います。
シネウインドのこれからの作品で、当店に前売り券が来ているものがあります。
「川の底からこんにちは」
「やさしい嘘と贈り物」
「立ち上がるイラク帰還兵」
「半分の月がのぼる空」
この4つです。かなり割引になりますからね。
私のお勧めは
「やさしい嘘と贈り物」です。
ある一人暮らしのおじいさんに、あるおばあさんが猛烈アタックをします。
よろこぶおじいさん。周囲の人に恋の相談をしたりします。
回りの人達も皆さん優しくアドバイスしたり。
でも実はおじいさんとおばあさんは長年連れ添ったご夫婦。
おじいさんは認知症ですべてを忘れてしまいました。
おばあさんはまた1からおじいさんとの恋をはじめようとしていたのでした。
そして
というお話。もうこれだけ読んでも泣けてきてしまいそうです。
その他にもモーツアルトとダ・ポンテを描いた映画「ドンジョバンニ」もウインドで9月にあります。
ぜひシネウインドに行きましょう。
月刊シネウインドは170円。当店にて発売中です。
次は演奏会の新しいチラシをご紹介の予定です。
ご本人にもお伝えしておきますね(笑)
それと、あちらの。。。ですが。
そうなんですってね。今日ちょっと会うんですけど。
やはり難しいですよ。
後は男性の方ですよ。
そしてその次は私が行こうかと虎視眈々と(笑)
ちょっと残念です。
ありがとうございました。