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コンチェルト2号感動の毎日 concerto2.exblog.jp

新潟市西堀前通1のギャラリー蔵織さんの中に移転しました。


by concerto-2

盤鬼のつぶやき 第22回

この前の木曜日、電話が鳴ったのでとったら
「あっ平林です」
盤鬼様からの電話でした。
「お願いがあってさ」
おぉ、こんないち素人の私に盤鬼さまが何をお願い?

実はこのお願いの内容に付いては書けないんですけどね。(うっ、なら書くなー!と言われますよね)
とても素敵なお願いでした。
もしきちんと決まったらお知らせします。
某演奏家さんに貴重な曲をプレゼントしたいというようなことなんですけどね。

ということで平林さんのメルマガも22回目となりました。
ほとんどマニアックな方むけですが、こういう世界もあるんだな〜と思っていただければ。
あと書店で「平林直哉」という著者を見かけたら、ぜひ読んでみて下さい。けっこう音楽書籍のとこにはありますよ。
では

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盤鬼のつぶやき第22回

コンヴィチュニーの謎解き

 コロムビアからコンヴィチュニー指揮、ウィーン交響楽団のブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(COCQ-84623)が新装再発売された。これは帯に“オリジナル・マスターによる世界初CD化”とあるように、初めてオリジナル・マスターからリマスタリングされたもので、聴いてみると確かに過去に発売されたCDよりも格段に鮮度を増している。
 今回、オリジナルまでさかのぼってCD化を行った段階で、実は驚くべき事実が発覚したのである。それは、これまで流通していた同じくコンヴィチュニー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による同じ曲のブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」、これは世の中に存在しない、つまり中身はウィーン交響楽団のものと同一であることが確定されたのである。
 では、どうしてこんなことが起こったのか。ごくおおまかに説明すると以下のようになる。ウィーン響の録音が終了後、安全のためにマスターからセイフティ・コピー(サブ・マスター)が作成され、以後、このコピーでさまざまな作業が行われていた。この原盤はオイロディスクによるものだったが、LP時代、このオイロディスクは旧東ドイツの国営レコード会社エテルナとライセンス契約を結んでいた。おそらく1960年代後半のことと思われるが、オイロディスクはエテルナからコンヴィチュニー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管とのブルックナーの交響曲第5番、第7番の原盤を借り受けた。そして、自社にある第4番とエテルナからの第5番と第7番をLP3枚組セットで発売したのである。
 この時に間違いが起きた。ウィーン響との第4番のテープが保管してあった箱にはオーケストラ名の表記がなかったため、オイロディスクの担当者が第4番もゲヴァントハウスだと勘違いし、“ゲヴァントハウス管による”ブルックナーの交響曲第4番、第5番、第7番の3枚組が市場に流布してしまったのである。国内ではウィーン響と表記されたLPは1971年10月に、ゲヴァントハウス管(中身はウィーン響)と表記されたLPは1973年12月にそれぞれ発売されており、つい最近までこの2種類のステレオ録音の存在が信じられていた。しかし、これは何も日本国内だけの問題ではなく、世界中のカタログやディスコグラフィでも同様の現象が起きていたのである。
 けれどもこの取り違え問題、この先にも色々とありそうなのだ。たとえば、上記の「ロマンティック」と同時に発売されたドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」(COCQ-84624)の余白にあるベートーヴェンの序曲「レオノーレ」第2番。これと、ベートーヴェンの交響曲全集(徳間ジャパン/ドイツ・シャルプラッテン TKCC-15044、6枚組)に入っている同じ曲を比べてみた。前者はバンベルク交響楽団、録音年不詳、後者はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、録音は1959年〜61年と記されている。聴いてみると、これがものすごく似ている。演奏時間も酷似している(ブックレット表記は14分17秒と14分18秒だが、CDプレーヤーでの表示もほとんど同じ)。両者はともにステレオなので、録音された時期はほぼ同じと断定して良い。同じ曲を同じ頃にオーケストラを変えて録音するということは、現実的にはほとんどあり得ないことだ。古いLPの表記もバンベルク響なので、おそらくバンベルクが正しいと思われる。この場合、エテルナがオイロディスクから原盤を借り受け、そこでうっかりバンベルク響をゲヴァントハウス管として保管してしまったのだろうか?
 同じベートーヴェンでは1959年のモノーラル録音の交響曲第6番「田園」というCD(コロムビア COCO-75405)も出ていた。TKCCの全集はステレオだが、このステレオの「田園」とモノーラルのそれを比較してみると、これらは違う演奏のようにも思える。最も大きな違いは、前者コロムビア盤では第1楽章の提示部の反復がないが、後者TKCC盤では楽譜通りに反復がなされていることだ。ただし、この2つは互いにピッチがかなり異なるため、ピッチを揃えて比較すると案外・・・・・。
 そのほか、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」というのもある。国内で出た実績のあるものはウィーン交響楽団のものだが、古いレコード総目録にははっきりと「ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団」と記されている。この曲のゲヴァントハウス盤というのは存在しないので(少なくとも正規の録音では)、これは目録の誤植ということも考えられる。ただ、あれこれとひっかっかってくると、どれもこれも疑いの目で見たくなってしまう。そうなると、落ち着いて聴けなくなるので、この問題はとりあえずこのあたりで終了。(平林 直哉)

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こういう偽物関係のことも先日いろいろと平林さんとお話ししたんですが、この手のトラブルはとっても多いんだそうです。
しかも平林さんのとことかに送ってこられるのも多いとか。
出元が怪しいのは一切書いたりしないそうです。
今年、クラシックCD業界を騒がせた件もありました。
大手が関わってたからどうなることかと思ってましたが見事にうやむやになりました。

平林さんと言えば一般的に発売されている「グランドスラム」レーベルの他に一般のとこでは販売していない「セレナーデ」レーベルというのがあります。当店は数少ない店頭販売している店なんですよ。
そのセレナーデから新譜が出ます。

フルトヴェングラー演奏会再現シリーズ
1950年9月25日、ストックホルム
国歌演奏も含む完全版、拍手やインターバルも可能な限り収録!
Disc 1
スウェーデン国歌
オーストリア国歌
ヨゼフ・ハイドン:交響曲 第94番 ト長調 「驚愕」
Disc 2
ヤン・シベリウス
交響詩「エン・サガ」、作品9
リヒャルト・シュトラウス
交響詩「ドン・ファン」、作品20
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
交響曲 第5番 ハ短調、作品67

フルトヴェングラー指揮ウイーンフィル

です。近日中に入荷します。よろしくお願いします。
Commented by ひとりごと at 2009-06-29 11:48
もしかして、ETさんにヴァイオリンの新曲を・・・てな、話かな?
Commented by concerto-2 at 2009-06-29 15:29
ひとりごと様ありがとうございました。
え〜っと。。。。。(汗)
まぁ近いような話です。ちょっと違うのですけど。
まだ決まってはないようですし。
そんなとこいらへんのお話と思っていただければ。。。
(と、逃げまくり。。。)
by concerto-2 | 2009-06-27 15:55 | サイト・ブログのご紹介 | Comments(2)