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コンチェルト2号感動の毎日 concerto2.exblog.jp

新潟市西堀前通1のギャラリー蔵織さんの中に移転しました。


by concerto-2

盤鬼のつぶやき 第16回

今度出る枝並千花さんのライナーも書かれてるということで、ちょっと新潟にも縁ができた(かな?)
盤鬼平林さん。
実は平林さんは新潟に、いや日本海側に?来られたことが無いんだそうです。
ぜひ今度来て下さい〜とお誘いしてます。

今日もメールでいろいろとやり取りしましたが、最近の平林さんの出されてるCDがなかなか好調のようでご機嫌麗しいようです。
これからもシューリヒトのハフナー&未完成やその後にはワルター&コロンビアの田園と超有名演奏が続きますからね。
ぜひともお楽しみに!!

私も家のトイレにはナクソスのカタログと一緒に平林さんの本を置いて日夜読んでます(トイレは集中しますね〜)

では平林直哉さんの「盤鬼のつぶやき 第16回です」今回はクレンペラー!!

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盤鬼のつぶやき第16回
2009年4月24日

見過ごされがちなクレンペラーのヴォックス録音

 クレンペラーのようにモノーラルとステレオにまたがって録音を残し、なおかつ晩年の方が良いと言われるタイプの指揮者は、たいていの場合、モノーラルの方はあまり見向きもされない。
 このたび初めて国内盤として発売されたクレンペラー指揮、ウィーン交響楽団のブルックナーとマーラー(コロムビア/ヴォックス 84583〜4)は、改めてその真価を問われるべきものではないかと思った次第である。クレンペラーは戦後、アメリカ・ヴォックスにまとまった量の録音を行っているが、この2曲はその中で1951年に録音されたものである。
 ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」はSP時代のベーム、ヨッフムに続く史上3番めの録音で、LP用の初めての録音でもあった。第1楽章はかなり速い。統計をとっているわけではないが、史上最速かもしれない。そのみなぎる覇気には驚かされるが、この時クレンペラーは60代半ばなのである。第2楽章以降は第1楽章ほどは速くはないが、それでもいかにも張りがあって、若々しい。
 もうひとつ指摘しなければならないのは、この当時のウィーン響の音である。この頃はまだ古い楽器を使用していたのであろう、ホルンを初めオーボエなどの管楽器がいかにもひなびた味わいである。特にホルンはウィーン・フィルそっくりで、そこらのマニアに「これはウィーン・フィルだ。指揮者は誰かわかるか?」と尋ねても怪しまれないだろう。弦楽器もかなり艶っぽい音を出している。たとえば第2楽章のヴィオラ、チェロなど、この頃のウィーン響がこんなに甘い音だったとは知らなかった。なお、クレンペラーはこの第2楽章の途中のヴィオラの旋律をソロに変更している。むろん、これはクレンペラー独自の改変で、賛否はあるだろうが、これはこれでなかなか味があると思う。また、輸入盤(CDX2 5520)はこの第2楽章冒頭に欠落があったが、この国内盤は正常である。
 マーラーの「大地の歌」はワルターのSP録音に続く史上2番目の録音で、ブルックナー同様最初のLP用録音である。「ロマンティック」同様、速めのテンポで処理しているが、ここでもオーケストラの柔らかい音色が十分に物を言っている。さすがにワルター/ウィーン・フィルほど結晶化はされているとは言えないものの、個性的であるのは間違いない。ヴァイオリン・ソロなども場所によってはかなり甘く歌っている。デルモータの美声はさすがで、この曲の名唱のひとつではあるまいか。
 一方のカヴェルティはポルタメントの多い古いスタイルの歌い方だが、この曲の退廃的な雰囲気とよく合っていて、決して悪いとは思わない。ただ、この2人の歌手があまりにもマイクに近すぎるのがちょっと気にはなるが。
 「ロマンティック」だけ国内盤と輸入盤とを聴き比べてみた。音の傾向は全く同じだが、国内盤の方がよりピントがぴったり合った音質のように思える。また、国内盤はブックレットに2曲の初版LPのデザインをあしらっているが、これはマニア心をくすぐるだろう。(平林 直哉)

***
クレンペラーのブルックナーというと私はあまりいい印象を持ってなかったのですが、いい機会なので聞いてみようかなと思っています。
4番は今度新潟でも山形交響楽団さんがやられますよね。
私はこの4楽章が大好きで。。
ちなみに私の中での4番のベストCDはアバド&ウイーンフィルなんです。アバドのブルックナーシリーズは正直今ひとつだと思ってますが、この4番だけはいい!
対抗馬はムーティ&ベルリンフィル。分かりやすくて面白い。
この4番は重厚にすると曲の本筋から遠くなってく気がするんですよね。個人的感想です。

ブルックナーというと、まだまだ入りづらいという方も多いかも知れません。
私の選ぶブルックナーの入門向けファーストチョイスCDはこれかな。
盤鬼のつぶやき 第16回_e0046190_18542452.jpg

ベーム&ウイーンフィルによる3番です。
曲も取っ付きやすいし覚えやすい。そして演奏は素晴らしい!!
ベームは4番の録音が有名ですが3番の方が遥かにいいと思いますけどね。どうかな。
そして、りゅーとぴあでの山形交響楽団さん楽しみにしましょう!!
Commented by 北国タクト at 2009-04-28 23:42 x
山形SO楽しみですね。
ブルックナーの四番は、じつは八番によく似ている?と思いませんか?
三番といえば、セルの録音がすばらしかったのを今でも思い出します。
(今は手元にありません)
Commented by concerto-2 at 2009-04-29 00:18
北国タクト様ありがとうございます。
4番と8番は最後の終結部が「おぉーきたぞきたぞ!燃え盛れー!
」と思ったらダン!といきなりのように終わってしまうが似てるかもしれませんね(笑)
山形SOは楽しみですね。あの小編成は曲の構成や隠れた魅力を感じさせてくれそうで。
ありがとうございました。
セルの3番ですか?たぶん持ってません。御紹介ありがとうございました。
by concerto-2 | 2009-04-24 19:05 | サイト・ブログのご紹介 | Comments(2)