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コンチェルト2号感動の毎日 concerto2.exblog.jp

新潟市西堀前通1のギャラリー蔵織さんの中に移転しました。


by concerto-2

Variations〜変奏曲の世界〜

新潟祭り真っ最中の土曜日の夜。
りゅーとぴあスタジオAでおこなわれたチェンバリスト笠原恒則さんのコンサート
「Variations〜変奏曲の世界〜」
に行ってきました。

私は閉店後から行ったので聞けたのは後半からでした。
プログラムは
G.F.ヘンデル『サラバンド ニ短調』
B.パスクィーニ『ラ・フォリア』
B.ストラーチェ『ラ・モニカ』
G.フレスコバルディ『バレットのアリア』
J.P.スウェーリンク『モーレ・パラティーノ』
G.ベーム『ああ、何と空しく、何とはかない』
J.C.F.フィッシャー『パッサカリア ニ短調』
────── 休憩 ──────
W.クロフト『グラウンド ハ短調』
G.F.ヘンデル『パッサカリア ト短調』
J.P.スウェーリンク『わが青春は過ぎ去り』
J.パッヘルベル『アポロンの六弦琴 第五番』
D.ブクステフーデ『わが愛する神を』
G.フレスコバルディ『パッサカリアによる100のパルティータ』

アンコールはパッサカリアに笠原さん自作の即興をいれられた曲でした。

笠原さんと言うと数々の古楽演奏会に通奏低音奏者として加わったり、マルチン大作さんなどとのユニット「楽路歴程」の演奏など合奏ものでの演奏が最近では主でした。
ソロリサイタルと言うと1年少し前でしょうか、やはり同じスタジオAでロウソクの明かりだけで照明とした素敵なソロコンサートがありましたが、あれ以来ではないでしょうか。

聞いていてメロディを大切にするところ、にじみ出る叙情的なもの、あるいは懐かしい感じ等などとても笠原さん御自身を映し出す暖かな演奏会でした。
1曲1曲が弾き手である笠原さん御自身から離れていかない主観的な演奏といったらいいのでしょうか。
本当は曲というのは演奏者から独立した客観的な演奏になるべきものなのかもしれません。
そのためには高度な技巧的なものが必要になるのでしょう。
笠原さんはまだまだ技術的なものは成長過程の途上にあられると思います。これからもっともっと上手くなっていくと思います。
だから作曲者より奏者の姿が全面に出てると感じられます。
奏者の想いとか苦しみ、喜び、そんなものを聴きながらも感じてしまう。
ヴィオラ奏者の羽柴累さんの演奏にも全く同じことを感じます。
完璧な演奏というのではないのかもしれないのですが、私はそういう人間くさい演奏にとっても心惹かれます。大好きです。

笠原さんもこのコンサートまでたいへんだったと思います。
でも御苦労のかいあって、とても良いコンサートでした。
じ〜〜んときました。
笠原さんお疲れ様でした。ありがとうございました。
by concerto-2 | 2008-08-10 01:40 | 演奏会のこと | Comments(0)